自然発火性物質および禁水性物質
目次
アルキルアルミニウム
アルキルアルミニウムとはアルキル基がアルミニウム原子に1個以上結合した化合物の総称になります。
アルキルアルミニウムに属する主な物質にはつぎの物があります。
- トリエチルアルミニウム
- ジエチルアルミニウムクロライド
- エチルアルミニウムジクロライド
- エチルアルミニウムセスキクロライド
主な物質としては上記の4物質で、危険性や取り扱い方法などはほぼ共通するので、覚えやすいと思います。
それぞれの特徴
トリエチルアルミニウム
形状
無色の液体
性質
- 比重 0.83
- 融点 -46℃
- 沸点 187℃
ジエチルアルミニウムクロライド
形状
無色の液体
性質
- 比重 0.97
- 融点 -74℃
- 沸点 214℃
エチルアルミニウムジクロライド
形状
無色の結晶性固体
性質
- 比重 1.23
- 融点 32℃
- 沸点 194℃
エチルアルミニウムセスキクロライド
形状
無色の液体
性質
- 比重 1.10
- 融点 -21℃
- 沸点 212℃
共通する危険性
アルキルアルミニウムに共通する危険性は以下のとおりです。
- 空気に触れると自然発火する
- 水と接触すると激しく反応して発火する
- ハロゲン化物と激しく反応して有毒ガスを発生する
- 皮膚に触れると火傷をする
- 燃焼すると白煙を出し、この煙を多量に吸うと肺や気管に支障がでる
- 常に不活性ガス(窒素など)の中に貯蔵する
- 水や空気と絶対に接触させない
- 貯蔵容器は耐圧性があるものを使う
- 容器の破損を防ぐため、安全弁、可溶栓をつける
- ハロゲン元素、酸化剤、火気、高温体との接触を避ける
- ハロゲン化物消火剤は使用しない
- 水系消火剤は厳禁
共通する貯蔵・取り扱い方法
共通する消火方法
以上のことから分かるように効果的な消火方法や消火薬剤が無いため、火災が発生すると消火はとても困難だと分かります。
火災が発生した場合は拡散しないようにし、周囲の危険物を退避させることしかできません。