【防火管理者必見】消防計画の作り方 ひな形ダウンロードOK

消防計画の作り方
防火管理者

防火管理者となったけど、消防計画の作り方なんて分からないなぁ・・・
どこかにひな形とかないだろうか

クマ

前任者の作ったものがあれば良いですが、はじめて作るとなると分からないですよね。

私は現役時代、予防係として多くの消防計画に関わり、数えきれないほどのアドバイスや添削を行ってきました。

この記事では、私の経験に基づくアドバイスと添削を通じて、効果的な消防計画の作成に役立つポイントを紹介します。

2023年に様式が変更になりました。

新様式にも対応している記入要領を準備していますので、最後までご覧ください。

この記事を読めば分かること
  • 消防計画に記載する内容(ひな形あり)
  • 消防計画作成(変更)届出書の記載内容

記事の最後にひな形のダウンロードリンクも作っていますので活用してください。

目次

消防計画とは

消防計画は、防火対象物(建物)で主に火災の予防と火災発生時の被害を最小限に抑えることを目的として、建物利用者や勤務者が取り組む災害発生時の対処方法を計画書としてまとめた書類です。

防火対象物(建物)の位置や構造、消防用設備等の設置状況に応じて作成しなければいけません。

作成・変更した際は所轄の消防長または消防署長に届け出しないといけない書類です。

防火管理者が作成する必要があります。

根拠条文は「消防法施行規則 第3条」です。

e-Gov法令検索 消防法施行規則

クマ

防火管理者の専任が不要の建物は消防計画を作成する必要はありません

消防計画の届け出

防火管理者は作成した消防計画を所轄の消防長または消防署長に届け出する必要があります。

組織表など消防計画の内容に変更があった場合にも本来は届け出しますが、真面目に届け出する防火管理者はほぼ居ません・・・

所轄の消防長または消防署長が分からない場合は、所在地の「市町村 消防」で検索すると出てくるので、その中のどこでも良いので消防署へ電話したら教えてくれます。

消防計画届出様式の記入例

消防計画の届出様式は全国統一なので基本的な記入例として参考にしてください。

記入箇所で不明な部分は空欄にしておき届出するときに消防署で聞きましょう。

令和5年(2023年)3月に様式が改正されたので注意してください。

届出書の記載例です

2023年最新の様式

赤字の部分が記入すべき箇所です。

防火管理者の住所は自宅の住所を記入します。

消防計画の内容

消防計画には消火、避難、通報などの訓練についてや、建物に設置されている消防用設備の維持管理など防火管理上必要なことについて記載する必要があります。

消防法施行規則3条には防火管理者が作成する消防計画について、おおむね下のような12項目を記載して消防計画を作るよう示しています。ただし順番については順不同でかまいません。

東京消防庁のように「甲種防火対象物」「乙種防火対象物」のように防火対象物を甲乙などで区分けして専用の消防計画を作成する必要がある都市もあります。

消防計画に記載すること
  • 自衛消防の組織に関すること
  • 火災予防上の自主検査に関すること
  • 消防用設備の点検や整備に関すること
  • 避難口などの避難設備の維持管理に関すること
  • 内装など防火上の構造の維持管理に関すること
  • 定員や収容人員の適正管理に関すること
  • 防火上必要な教育に関すること
  • 消火、避難、通報など訓練の実施に関すること
  • 火災や災害が発生した場合の活動に関すること
  • 防火管理について消防期間との連絡に関すること
  • 増築や改築など工事中の火気使用時の立ち会いなどに関すること
  • その他防火管理上必要なこと
クマ

12項目もあると、何をどうやって作れば良いか分かりませんよね・・・

いきなり消防計画を作れって言われても作れる訳がないので、作り方の例を用意しました。

ワードなどにコピーしても良いですし参考になればと思います。

消防計画の作り方(例)

第1章 総則

(目的)
第1条 この計画は、『ドラッグストアくま』の防火管理業務について必要な事項を定め、火災等の災害の予防及び人命の安全並びに被害の軽減防止をはかることを目的とする。

『ドラッグストアくま』などのように店名や会社名を入れた方が分かりやすい。

(消防計画の適用範囲)
第2条 この計画は、『ドラッグストアくま』に勤務し、出入りするすべての者に適用する。

(防火管理者の権限と業務)
第3条 防火管理者は『クマ』とし、この計画についての一切の権限を有すると共に次の業務を行う。
 ⑴ 消防計画の検討及び変更
 ⑵ 通報、消火、避難訓練の計画と実施
 ⑶ 建物、火気使用設備器具、電気設備器具等の検査の実施及び不備欠陥事項の改修促進
 ⑷ 収容人員の把握と安全管理
 ⑸ 非常口、通路等の適正管理
 ⑹ 火気の使用又は取扱いに関する指導監督
 ⑺ その他防火管理上必要な業務

2 防火管理者は、次の事項について消防機関への報告、届出及び連絡を行う。
 ⑴ 消防計画の提出(変更の都度
 ⑵ 建築物及び諸設備の設置又は変更の事前連絡及び諸手続
 ⑶ 自衛消防訓練実施時における事前通知及び指導の要請
 ⑷ その他防火管理について必要な事項

人事異動で消防計画の組織表に変更が出ても届け出が必要になってくるので、個人名ではなく経理係長などのように役職にすると訂正も楽

3 防火管理者は、火気の使用について次の事項を行う。
 ⑴ 喫煙場所の指定
 ⑵ 火気使用設備器具等の使用禁止場所及び使用場所の指定
 ⑶ 工事中の火気使用の制限及び立会い
 ⑷ 火災警報発令時の火気使用禁止又は制限

第2章 予防管理対策

(火災予防のための組織)
第4条 火災予防のための組織は、平素における火災予防及び地震時の出火防止を図るため、別表1に定める防火管理組織表に基づき火災予防、自主点検、検査を実施する。

(建物内における遵守事項)
第5条 従業員等は、火災予防及び来訪者の安全を確保するため、次の事項を遵守しなければならない。
 ⑴ 喫煙は指定された場所で行い、歩行中の喫煙は行わないこと
 ⑵ 危険物品を持ち込まないこと
 ⑶ 火気使用設備付近は常に整理整頓すること

2 指定場所以外で臨時に火気を使用するときは、防火管理者へ事前に連絡し承認を得なければならない。

3 工事等を行う者は、次の事項を遵守しなければならない。
 ⑴ 作業計画を防火管理者に提出し、必要な指示を受けること
 ⑵ 火気を使用し作業を行う場合は、消火器等を準備すること
 ⑶ 指定された場所以外で喫煙等を行わないこと
 ⑷ 作業上危険物を使用する場合はあらかじめ防火管理者の承認を得ること
 ⑸ 作業時の火気管理は工事責任者が行い、火災予防上の万全を期すこと

(建物等の自主検査)
第6条 建物、火気使用設備器具及び電気設備等の適正な機能を維持するために定期的に点検検査を実施する。別表2

(消防用設備の自主検査)
第7条 防火管理者は、建物内に設置されている消防用設備等の機能等を維持管理するために、定期的に点検を行うものとする。

ここでの点検は業者の点検ではなくて消火器など設備が決められた位置に有るかや、非常ベルの前に物が置かれていないかを自分たちで確認すること。

(消防用設備等の法定点検)
第8条 消防用設備等の法定点検を定期的に実施し、点検結果については、記録するとともに、消防用設備等の点検結果を1年に1回○○市○○消防署長に報告しなければならない。

特定防火対象物は1年に1回、非特定防火対象物は3年に1回消防用設備の点検結果を消防署へ報告する必要がある。

(不備欠陥事項の整備)
第9条 防火管理者は、建物及び消防用設備等に不備欠陥事項がある時は、その改修計画をたて早急に改修を行う。

(夜間・休日等における防火管理)
第10条 夜間・休日等における防火管理体制については別記様式に定めるとおりとする。

夜間など無人のときに警備会社と契約していない場合は、この条文は削除。

第3章 自衛消防活動対策

(自衛消防組織)
第11条 自衛消防組織として防火管理者を自衛消防隊長とし。任務分担を別表3のとおり指定する。

初期消火班や避難誘導班など役割を決めておきましょう。

(避難経路図等)
第12条 自衛消防隊長は、人命安全を確保するために消防用設備等の設置位置及び屋外へ通じる避難経路を明示した避難経路図を作成し、店内の見やすい位置に掲示するとともに、従業員に周知徹底しなければならない。

(消防隊への協力)
第13条 自衛消防隊長及び各係員は、現場に到着した消防隊に対し、火元、延焼状況、建物内部の状況、逃げ遅れの有無等の情報提供につとめる。

第4章 震災対策

(地震予防措置)
第14条 防火管理者は地震時の災害を予防するため第2章に基づく各種施設器具の点検にあわせて建物及び建物に付随する施設(窓枠、外壁等)の転倒、落下防止措置を行うもとする。

(地震時の活動)
第15条 地震時の活動に、第3章に定める自衛消防組織によるほか、従業員は来客者に対し身の安全措置をとらせるとともに次の措置を行う。
 ⑴ 防火管理者は、火気使用設備器具、電気設備等の使用停止措置を行う
 ⑵ 当建物において火災が発生した場合は、他に優先して消火活動にあたる

(地震後の安全措置)
第16条 防火管理者及び火元責任者は、地震後各種火気使用設備器具や電気設備等を点検するとともにその結果に基づき、安全を確認した後使用を開始する。

第5章 防災教育及び訓練

(防災教育の実施)
第17条 防火管理者は、従業員を対象として防災教育を行うものとする。

(教育、訓練の実施)
第18条 防火管理者は、次のとおり各訓練を行うものとする。
全従業員 年2回以上
 ・消防計画の周知徹底
 ・火災予防上の遵守事項
 ・従業員各自の任務及び責任の周知徹底
 ・震災対策に関する基本的事項

新入社員 その都度実施
 ・その他火災予防上必要な事項

(訓練の実施報告)
第19条 防火管理者は、訓練を実施するに際し、「訓練等実施計画届出書」により○○消防署長に届出し、必要と認められる場合は、消防機関へ指導を要請する。

附則
この消防計画は  年  月  日から施行する。

このように消防計画を作れば、消防法施行規則に示された内容は、すべて記載できるはずです。あとは建物の実情に合わせて修正するなりすると良いと思います。別表などは、雛形をダウンロードできるようにしておくので、そちらを確認してください。

消防計画の作り方まとめ

この記事が防火管理者の役にたてば幸いです。
でも消防計画は作れば終わりではありません。

社員などに消防計画の内容をしっかりと教育して、いざ火災や災害が発生したときに行動できるようになっておかないといけないからです。

消防訓練についても記事にしているので、良かったら読んでいってください。

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