目次
特殊引火物
特殊引火物は1気圧において
発火点が100℃以下のもの又は引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のものです。
指定数量は50リットル
危険等級はⅠとなっています。
特殊引火物に該当する主な物質はつぎのとおりです。
- ジエチルエーテル
- 二硫化炭素
- アセトアルデヒド
- 酸化プロピレン
特殊引火物に該当する温度と指定数量、品名は覚えておきましょう。
ジエチルエーテル
性質
- 無色透明で特異な匂いがする
- 比重 0.7
- 蒸気比重 2.5
- 沸点 35℃
- 引火点 -45℃
- 発火点 160℃
- 燃焼(爆発)範囲 1.9~48%
- 水にわずかに溶ける
- アルコールにはよく溶ける
- 揮発しやすい
- 電気の不良導体である
危険性
- 引火しやすい
- 燃焼範囲が広い
- 日光にさらして空気と長時間接すると過酸化物を生じて、加熱や衝撃などによって爆発する危険性がある
- 静電気を発生しやすい
- 蒸気には麻酔性がある
貯蔵・取り扱い方法
- 通風の良い場所に保管
- 直射日光に当てない
- 火気を近づけない
- 貯蔵容器は密栓する
- 沸点が低いので冷却装置などを使用して温度管理をする
消火方法
泡消火薬剤や粉末消火薬剤を使用して窒息消火する
二硫化炭素
性質
- 無色透明で特異な匂いがする
- 一般のものは不純物のため黄色
- 比重 1.3
- 蒸気比重 2.6
- 沸点 46.3℃
- 引火点 -30℃
- 発火点 90℃
- 燃焼(爆発)範囲 1.3~50%
- 水に溶けない
- アルコール、ジエチルエーテルに溶ける
- 揮発性があり蒸気は有毒
危険性
- 引火しやすい
- 燃焼範囲が広い
- 日光にさらして空気と長時間接すると過酸化物を生じて、加熱や衝撃などによって爆発する危険性がある
- 静電気を発生しやすい
- 燃焼すると有毒な亜硫酸ガスを発生させる
貯蔵・取り扱い方法
- 直射日光に当てない
- 火気を近づけない
- 貯蔵容器は密栓する
- 比重が重いので貯蔵容器に水を張って蒸気の発生を抑制させる
消火方法
泡消火薬剤や粉末消火薬剤を使用して窒息消火する
場合によっては水で蓋をして窒息消火させることもできる
酸化プロピレン
性質
- 無色透明でエーテル臭がある
- 比重 0.83
- 蒸気比重 2.0
- 沸点 34℃
- 引火点 -37℃
- 発火点 465℃
- 燃焼(爆発)範囲 2.8~37%
- 水によく溶ける
- エチルアルコール、ジエチルエーテルによく溶ける
危険性
- 引火しやすい
- 重合する性質があり、その際に発熱し火災、爆発の原因になる
- 銀、銅などの金属に触れると重合が促進しやすい
- 蒸気は有毒
- 皮膚に触れると凍傷に似た症状になる
重合とは簡単な構造の分子が整数個結合して化合物になることです
貯蔵・取り扱い方法
- 直射日光に当てない
- 火気を近づけない
- 貯蔵容器は密栓する
- 沸点が低いので冷却装置などを使用して温度管理をする
- 貯蔵容器には不活性ガスを封入する
消火方法
水系消火剤を噴霧状で噴射する
二酸化炭素、ハロゲン化物などの消火薬剤を使用する
粉末消火剤を使用する
アセトアルデヒド
性質
- 無色透明で刺激臭がある
- 比重 0.8
- 蒸気比重 1.5
- 沸点 21℃
- 引火点 -39℃
- 発火点 175℃
- 燃焼(爆発)範囲 4.0~60%
- 水によく溶ける
- アルコール、ジエチルエーテルによく溶ける
- 油脂などをよく溶かす
- 揮発しやすい
- 酸化すると酢酸になる
危険性
- 引火しやすい
- 燃焼範囲が広い
- 熱または光で分解するとメタンと一酸化炭素になる
- 蒸気は粘膜を刺激して有毒
貯蔵・取り扱い方法
- 直射日光に当てない
- 火気を近づけない
- 貯蔵容器は密栓する
- 沸点が低いので冷却装置などを使用して温度管理をする
- 貯蔵容器には不活性ガスを封入する
- 貯蔵容器は鋼製にする
消火方法
水系消火剤を噴霧状で噴射する
二酸化炭素、ハロゲン化物などの消火薬剤を使用する
粉末消火剤を使用する
まとめ
乙四の試験対策として各品名の比重数値などは覚える必要ありません。
次のことは覚えておきましょう
特殊引火物に該当する温度と指定数量、品名。
- 二硫化炭素以外は水より軽い
- 二硫化炭素以外は水に溶ける
- 発生した蒸気は空気よりも重い
その他の各品名ごとの性質や危険性などは目を通しておきましょう。