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【火災戦術】背側側背の活動鉄則は消防活動のひとつ

消防学校の教科書や消防活動について書かれた本には火災戦術のひとつとして背側側背の活動が書かれています。

基本的には背側側背の鉄則に従ってホース延長をすることで火災による被害を少なくすることが可能だと言われています。

当然同じ火災は2度とないので毎回背側側背の活動鉄則がうまくいくかと言えばそうではありません。

ですが、今回は基本活動である背側側背の活動について解説します。

この記事で分かること

消防戦術のひとつ背側側背の筒先配備について

目次

背側側背の活動鉄則について

火災想定

火災想定を示すので想像しながら読んでくださいね。

  • 住宅が適度に密集している
  • 木造平屋住宅
  • 炎上火災
  • 逃げ遅れなし
  • 無風
  • 玄関は南側
  • 筒先配備は3口のみ

あなたが指揮者ならどのように筒先配備しますか?

火災想定

背側側背の鉄則を当てはめる

火災想定に背側側背の鉄則を当てはめるとどの順番になるかイメージしましたか?

鉄則通りだとつぎのようになります。

STEP
背面に筒先配備
STEP
側面Aに筒先配備
STEP
側面Bに筒先配備

背面に筒先配備

炎上火災で一番最初に筒先配備をしないといけない場所は建物の背面です。

なぜなら建物背面は筒先配備が遅れがちとなり延焼拡大の原因となり得るから。

風向きによって変わってきますが基本的には建物背面に筒先配備しなくてはいけません。

今回の想定では1番最初に筒先配備する必要があります。

側面A、側面Bに筒先配備

側面も筒先配備が遅れ延焼拡大となる可能性が高いので背面の次に側面へ筒先配備を行います。

今回の想定であれば西側の建物は2階建てなので延焼危険が高いため西側の側面が2番目の筒先配備で東側が3番目です。

先に背面へ筒先配備しているので火点を挟撃することになり包囲体制まであと少し。

側面が道路だったり空き地の場合など延焼危険が少なければ、他の面を優先します。

背面そして前面

先着隊が背面と側面に筒先配備を済ませ防御活動しているときには後着隊もホース延長を済ませているでしょうから、火勢の状況を見て筒先配備を決めていきます。

前面はいつ筒先配備するのか

建物の前面は道路であり延焼危険は他の面よりも低いです。

そのため炎上火災の場合、前面の筒先配備は一番最後でも構いません。

ただし消防隊が到着して市民が期待しているのは早い放水だと思うので側面へ進入させる筒先員にまず前面に放水してから側面へ転戦という判断も有りだと思います。

いまの時代簡単にネットにアップされますからね。

近代建築の場合は使えない?

最近の建物は気密性が高いことや延焼しにくい素材を使っています。

そのため炎上火災も減っていて、消防隊が到着時は建物の中で燃えている場面も少なくないはずです。

そうなってくると消防隊は屋内進入して消火することになるので背側側背の鉄則は使えません。

前面が1番目になる時代

消防隊到着時に建物内で燃えているならば屋内進入して消火するしかありません。

高気密住宅の建物内は炎により酸素が少なくなり火の手が収まっている状態だと考えられるので安易にドアや窓を開けられません。

この動画を見てもらうと分かりやすいのですが、ドアを開けて放水すると酸素が入り炎が吹き出ますがドアを閉めると炎が収まっていきます。

そのためドアコントロールし易い玄関側(前面)に筒先配備してから屋内進入となるはずです。

この場合だと背面と側面は警戒のための筒先配備となります。

もしも屋内進入することによって炎が吹き出てきた場合に備えて待機します。

市民からはなぜ放水しないのかと言われるかもしれませんが、炎が出るまでは放水してはいけません。

この記事のまとめ

基本的消防戦術である背側側背の活動について解説しました。

炎上火災の場合には延焼防止を主眼とした筒先配備が必要になります。

言い方が悪いかもしれませんが火災で炎上している建物を守るよりも周囲の燃えていない建物の方が大事なのです。

市民の安心安全を守るためにも頑張ってください。

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