消防士って呼び方は、消防に勤務している人全体を指すのが一般に定着してますよね。
でも、消防士って階級のひとつなのです。
ブログを開設する時に、消防士って書かないと「一般の人には伝わらないよ」と指摘があったので元消防士ってしました。
警察官と同じで消防官でも良いと思うのですが、消防士っていうほうが定着してるのが事実ですね。
消防の階級とは
消防は良くも悪くも完全な階級社会です。階級が高くないとどんなに能力が高くても部隊の隊長などはできません。
隊長として部隊を編成するには、消防士長以上の階級者が隊長として出動しなければならないからです。
階級の種類
消防の階級には次のように種類があります。
階級章と一緒にご紹介します。
消防士
消防職員に採用されて階級がある者を消防吏員と言います。その中で一番最初になるのが消防士です。
仕事から雑用まで、たくさん覚えないといけない消防士としての登竜門です。
ここでどれだけ頑張れるかが今後の消防人生にもかかわってきます。
消防副士長
消防本部によってはこの階級がないところもあります。消防士長のように権限はないけど、新米の消防士よりは経験があり先輩面できますね。
消防士長
大卒で採用されたら数年で昇任試験を受けて消防士長になれます。消防の大卒と高卒の違いはこの士長の昇任試験までの経験年数だけです。
あとは本人のやる気次第で、士長で終わるか上を目指すか・・・
消防司令補
係長や主任はこの階級からになります。
ここにしっかりとした人材が居ると、その中隊もまとまった中隊となります。
司令補まで上がればさらに上を目指したい。
消防司令
中隊の責任者。色々な人がいます。
しっかりとしたリーダーシップを発揮して自分色の中隊を作る人、司令補にある程度任せて何かあれば責任を取る人、まったくなにもしない人・・・
消防司令長
署長や副署長の階級。
多くの消防本部は昇任試験ではなく、選考で司令から上がります。
異動のときにサプライズ人事があるのも、この階級から。
先輩を抜かしてジャンプする人もいます。
消防監
本部の次長など偉い人。
小さい消防本だと消防長の階級。
これ以上に早くあがるには本人の能力と政治力だと思ってます。
私たちは新米の頃にこの階級をベタ金って呼んでました。
消防正監
消防司監
消防総監
消防士以上の階級になるには
消防として採用されたら、まずはみんな消防士です。
では、消防士以上の階級になるためにはどうしたら良いでしょうか?
上位の階級に昇任するには昇任試験を受けるしかありません。
年功序列で階級が自動的にあがることはないってことなのです。
例外的に消防司令以上の階級つまり司令長以上は消防長などの選考で昇任するのが一般的です。
昇任試験はどんな問題がでるのか
昇任試験は消防のことだけ知っていたら良いのではなく、憲法や地方自治法、一般常識、最近のニュースなどからも出題されます。
消防の問題も警防・救助・救急・予防とすべてが出題範囲となっていて広い範囲での知識を求められるのです。
その他にも論文や面接がある消防本部もあります。
試験の結果、良い点数を取れたとしても必ず昇任できるとは限りません。なぜなら上位の階級には枠があるからです。
どんどん昇任させていたら頭でっかちの組織になってしまいますよね。
都市によって違う消防長の階級
消防長は消防本部のトップです。ですが、都市によって消防長の階級は違うのです。
消防長の階級 | 市町村の区分 |
---|---|
消防総監 | 消防組織法第17条第2項の特別区 東京消防庁 |
消防司監 | 地方自治法第252条の19第1項の政令指定する50万人以上の市 |
消防正監 | 消防吏員が200人以上または人口30万人以上の市町村 |
消防監 | 消防吏員が100人以上または人口10万人以上の市町村 |
消防司令長 | その他の市町村 |
東京消防庁に採用されないかぎり消防総監の階級はつけられないってことです。
その階級も1人しかつけられないので、かなり狭き門ですけどね。
まとめ
消防士という呼び名がただの階級だということがわかったと思います。
それに上位の階級に上がるには昇任試験を受けなければならないということです。
逆をいえば責任を負うのが嫌な人は昇任試験を受けずに一生消防士ってことも・・・
※消防副士長がある消防本部は経験年数で昇任することもあると聞いたことがあります。
消防は警察と違ってキャリア組とかありません。大卒のほうが昇任試験を受けられる実務年数が短いぐらいです。
せっかく階級があり、自分の力次第で高卒でも消防長にもなれるかもしれない職場です。
みなさん消防長を目指してみませんか?