消防学校は消防士になるための第一歩

はれて消防に採用されたら、まずは消防学校に入校します。その消防学校についてご紹介します。
※中途採用などで入校前に消防署での勤務を経験する人も居ます。

消防学校ってどんな学校

消防学校は消防に関する教育や訓練を行う公的な施設です。

学校という名前がついていますが、誰でも入れるわけではなく消防職員・消防団員が主に教育、訓練を受ける場所です。
その他にも企業の自衛消防隊や災害救援を行うボランティア団体などの民間を対象にした教育もしています。

どんなことを学ぶのか

各都道府県(中には市の消防学校もある)には必ず消防学校があります。そこでの教育・訓練には全国で一定の基準があります。
それは「消防学校の教育訓練の基準」という国の基準です。

この国の基準にもとづいて消防学校では教育、訓練がおこなわているのです。

初任教育

消防士が採用後に入校し受ける教育を「初任教育」と言いその教育時間は約800時間。月にして約8ヶ月の間、消防学校で消防人としての規律やチームワークなどを学び、消防士として最低限必要な知識・技術・体力を徹底的に叩き込まれます。

初任教育は消防士として採用されたら絶対に受けなければなりません。全寮制で週末のみ帰宅する学校生活となります。
月曜の朝に学校へ行き、金曜の夕方に帰宅する生活スタイルです。

クマ
クマ
消防学校に行っている間は「条件付採用期間」だから学校をやめたら消防をやめることになるよ

私が消防学校に入校した時は今のようにネットも広まっていなくて、消防学校っていうものがあるのは採用後に知りましたし、どんな教育・訓練があるのかもわかりませんでした。
それを考えると今の時代は本もたくさんあるし、ネットで調べれば色々とわかるので良いですね。

県に1校のところが多いのですが、4月に採用された県下の消防士が集まり一緒に教育・訓練を受けます。
他の消防本部の学生と交流をもって人脈を広げる良い機会となってます。

この消防学校で同期というものは、言葉に表しにくいのですが、なにか特別な繋がりを感じるものができます。

入校したら

入校したら入校式があります。消防学校の入校式ですから規律ある行動しなくてはなりません。
ですから入校式の前から訓練礼式でキビキビした動きができるよう何度も訓練がスタートします。

座学

学校の授業として座学は消防に関する法律や地方自治法、公務員としての知識からはじまり消火理論や安全管理など多岐にわたります。

訓練

訓練は「気をつけ」とか「回れ右」などの訓練礼式やポンプ操法、救助訓練などの基本的な訓練を何度も繰り返しおこないます。
特に訓練礼式はこれからの消防人生でずっと使うものですので、本当に嫌になるほど毎日毎日やりますよ。

消防学校の教育訓練の基準

平成29年現在の初任教育の基準は次のとおりです。合計で800時間となっています。

基礎教育

教科目 単位時間
倫理 5時間
法学基礎・消防法 20時間
消防組織制度 9時間
服務と勤務 28時間
理化学 10時間
小計 72時間

実務教育

教科目 単位時間
予防広報 20時間
危険物 8時間
消防用設備 12時間
査察 27時間
建築 10時間
安全管理 16時間
特殊災害と保安 10時間
火災防ぎょ 30時間
火災調査 15時間
防災 23時間
救急 50時間
消防機械・ポンプ 10時間
小計 231時間

実科訓練

教科目 単位時間
訓練礼式 50時間
消防活動訓練 82時間
救助訓練 45時間
機器取り扱い訓練 55時間
消防活動応用訓練 85時間
体育 55時間
小計 372時間

その他

教科目 単位時間
実務研修 35時間
選択研修 40時間
行事その他 50時間
小計 125時間

学校生活

寮室

寮室はだいたい4人1組の学校が多いようです。
消防本部ごとに分けられるのではなく、バラバラに配置されることが多いと思います。この寮室の仲間で学校卒業まで互いに切磋琢磨して頑張ってチームワークや連帯感などの消防人としての基礎をこの寮生活で身につけていくのです。

外出

消防学校に入っている間は基本外出はできないと思っていた方が良いです。
週に何日か外出できたとしても近くのコンビニなどに軽い買い出しぐらいしかできません。外出の服装も学校のジャージとかですしね。
訓練終わったから飲みに行こ~なんて学生はいないでしょうし、初任教育中はあり得ないですね。

学生なのに給料もらえます

初任教育ということで消防学校の学生となっていますが、身分は地方公務員です。ですから学生なのに給料がもらえるんです。
学費や食事代を自分で払う必要もないので、帰宅して散財しなければ卒業までに結構お金も貯まりますよ。
でも、学校生活が禁欲生活なのでどうしてもストレス発散に使ってしまいますけどね。

学校生活に慣れるまでの数週間は、いままでの生活とまったく違う生活で大変かもしれません。
布団の畳み方なんかもチェックされる生活ですから・・・
でも、この生活も終わってみれば良い思い出となっていますよ。

卒業しても消防学校に入校

初任教育を無事終えて所属の消防署へ配属されたら、消防学校はもう用無し・・・ではありません。

卒業後も「専科教育」と言い専門的な知識を得るために入校することがあります。
消防は退職するまで勉強が続くのです。

私も何度か専科教育で消防学校のお世話になり、初任教育とはまた違った消防学校生活を楽しむことができました。
初任教育学生と同じ時期に入校したこともあり、その時は初心を思い出すことができ良い体験にもなりました。

消防大学校

各都道府県の消防学校とは違い総務省消防庁が運営する消防大学校というものがあります。
中堅以上の職員を幹部としてより高度で専門的な知識を得た指導者に養成するためにあるのです。

消防大学校は全員が行けるわけではなく、選ばれた者だけが入校できる教育機関です。
選ばれなければ退職まで縁のない学校でもあります。
ちなみに私は縁のない学校でした。

まとめ

初任教育は消防士として本当に必要最低限の訓練、教育しかしません。それに800時間もの内容をすべて教えなくてはならないため、ウカウカしていると置いていかれます。

消防学校での時間は皆平等に流れています。消防士に採用されたところがゴールではありません。暇な時間ができたら仲間たちとの雑談も大事かもしれませんがロープを触って結索(ロープの結び方)を覚えたり教科書を読んで基礎を自分のものとして身につけてください。

所属に配属された時に学校で何を習ってきたんだと言われないためにも。