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危険物の引火点と発火点の違いは、火がつく温度か燃え出す温度かの違い

危険物に限らず物質には引火点(いんかてん)と発火点(はっかてん)が存在します。

うる覚えだと、どちらが引火点か発火点か混合してしまうこともあります。

危険物の試験問題(特に乙種第4類)には、この引火点と発火点の違いについての問題も出ることがあるので、しっかり覚えておきたいですね。

簡単に説明すると
  • 引火点 ~ 物質の引火点(温度)以上じゃないと火源を近づけても火はつかない
  • 発火点 ~ 物質の発火点(温度)以上になると自然発火する

この記事では引火点と発火点について詳しく解説しているので、良かったら最後までご覧ください。

目次

危険物の引火点と発火点の違い

危険物乙種第4類に出題される傾向が強いので、危険物第4類(引火性液体)を例として進めます。

引火点は発火点よりも低いまたは発火点は引火点よりも高いって覚えてください

危険物の引火点とは

引火点(いんかてん)とは、危険物の可燃性蒸気が爆発下限値の濃度に達する液温のことです。

マッチやライターなどの火源を危険物に近づけた際に、着火して燃焼する最低の液温(火がつく温度)ともいえます。

ガソリンは引火点がマイナス40℃以下なので、北海道のような寒い地域でも簡単に火がつくのです。

ストーブなどに使う灯油は引火点が40℃以上なので、火のついたマッチを灯油に落としても火がつきません。

引火点と爆発下限値の温度は同じになります。

ここで注意しておかないといけないのが、引火点以下の液温でも液面からは可燃性蒸気は発生しています。

問題で「引火点以下の場合には可燃性蒸気は発生していない」と書かれていたら、その問題は間違っていますね。

第4類危険物(引火性液体)は、その危険性を引火点によって分類しています。

さらに石油類は、引火点によって低い方から第1~4石油類に分類されているので覚えておきましょう。

  • 第1石油類 21℃未満
  • 第2石油類 21℃以上70℃未満
  • 第3石油類 70℃以上200℃未満
  • 第4石油類 200℃以上250℃未満

危険物の発火点とは

発火点(はっかてん)とは、空気中で火源がなくても自ら発火する最低の温度のことです。

そのため危険物を貯蔵する場所では温度計を設置するなどして温度管理をしっかりする必要があります。

ガソリンの発火点は300℃で灯油の発火点は255℃です。

火災などで危険物の周囲の温度が上昇して危険物の油温が発火点に至ると自然発火します。

危険物の自然発火とは

危険物第5類に多い危険物の自然発火ですが、発火点のついでに自然発火についても解説しておきますね。

自然発火は文字通りで周囲に火源がなくても自己反応(酸化・吸熱など)や微生物などの働きにより熱が蓄積されて発火点にいたる現象です。

危険物第4類の動植物油類は特に酸化熱により火災になるケースが多く、揚げたての天かすを山のようにしていたりアロマオイルが染み込んだタオルを放置していたりしたことで火災が発生することもあります。

この記事のまとめ

引火点は火源を近づけた際に火がつく温度(液温)

発火点は自然発火する温度(液温)

危険物によっては自己反応や微生物の働きにより発火点に至る可能性がある

可燃性蒸気は引火点以下でも発生している

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