はじめに
これから消防士を目指している人とか消防士に知り合いが居て、勤務体制がどうなっているか気になる人とかいると思います。そういった人たちへの疑問に答えます。
消防の勤務体制は、「毎日勤務」と「交代勤務」の2つのパターンに分けることができます。
毎日勤務
毎日勤務というのは、市役所などの公務員と同じように、朝出勤して夕方帰宅する勤務です。
本部の事務を担当している職員や署長、副署長、予防担当者などがこの「毎日勤務」になります。
休みはカレンダーとおりで、土日と祝日、年末年始が休みになるので、わかりやすいですね。
交代勤務
交代勤務は、基本的に朝の8時30分に交代してから次の日の8時30分までの24時間を消防署で勤務する勤務体制のことです。
隔日勤務とか2部制・3部制とか消防本部によって呼び方も違います。
交代勤務の体制は、2交代を採用している消防本部と3交代を採用している消防本部があります。
2交代制
2交代制を採用している消防本部は全国で約60%あります。
たとえば、次のカレンダーのような勤務体制になります。
2koutai
5週間のうちの13回出勤して、他は非番か週休日となり、仕事じゃない日になってます。
次のサイクルの繰り返しです。
- 当務→非番→当務→非番→週休、週休
- 当務→非番→当務→非番→週休、週休
- 当務→非番→当務→非番→当務→非番→週休、週休
3交代制
3交代制は次のようになります。知り合いの消防本部と京都市のサイクルを紹介します。
3koutai1
基本的には次のように繰り返しとなります。
- 当務→非番→週休→当務→非番→週休
同じ3交代の繰り返しでも消防本部によってはサイクルが違う場合があるのがわかると思います。
2交代制との大きな違い
2交代制と大きく違うのは、途中に日勤の日が入っていることです。
この途中に日勤の日が入っている理由は、2交代制と比べて3交代制は当務日だけでみると、月の勤務時間が少なくなるので、間に日勤日を入れて勤務時間を調整しているのです。
交代勤務の職員は、朝の8時30分から次の日の8時30分までの24時間消防署に居るので、24時間勤務と思われがちですが、実際は休憩時間や仮眠時間を除いた16時間(消防本部によっては15時間30分)が勤務時間となっています。
毎日勤務の職員が毎日8時間勤務(消防本部によっては7時間45分)なので、交代勤務は1回仕事に出ると毎日勤務者の2日分働くことになります。1回で2日分働くから、仕事の次の日は非番といって休みになるのです。
2交代制と3交代制のメリット・デメリット
交代制に2交代と3交代があるのが分かったと思いますが、それぞれメリット・デメリットがあるのです。
2交代制のメリット・デメリット
2交代制は少ない職員でも勤務体制を維持できるメリットがあります。
デメリットとしては、同じ中隊の中で週休者が必ず居るので部隊編成が日替わりで変わることです。それに、中隊全員に業務などの徹底をするにも必ず2日以上かかってしまうことです。
小さい消防本部などは、人員が少ないので勤務体制を維持できる2交代制を採用しているケースがほとんどです。
3交代制のメリット・デメリット
3交代制は3つの中隊が、いつも同じメンバーで勤務できるので部隊の連携がとれやすく、訓練の練度も上がりやすいと言われています。それに日勤日があることで、立入検査や研修をその日勤日に当てることで、時間外手当の削減ができるメリットがあります。
デメリットは、2交代制に比べ人員が多く必要なことです。大きな消防本部が採用している理由も人員がたくさん居るからですね。
私的にデメリットじゃないかと感じることは、いつも同じメンバーということは、性格があわない人が同じメンバーだったら・・・ってことですね。それと3交代制はなかなか休みを変わるのが難しいらしく、子供の運動会があるからとか行事があるからといっても休みがとりにくいらしいです。
まとめ
消防の勤務体制は「毎日勤務」と「交代勤務」に分かれていて、「交代勤務」も多くが「2交代制」と「3交代制」に分かれます。
消防士になったばかりの頃は、交代勤務にも慣れないかもしれませんが、すぐに慣れるので頑張りましょう!