自分が消防に入る頃(20年ぐらい前)は消防士っていうと男の世界ってイメージでしたが、いまでは全国で女性の消防士が現場で活躍しています。
自分が居た消防本部にも数人女性の消防士がいましたが、救急隊や消防隊として現場に出動していました。
救助隊は選抜試験でダメだったみたいです。
消防士は階級のひとつで正式には消防吏員と呼びますが、消防士の方がわかりやすいと思うので消防士の呼び方で書きます。
女性消防士の割合は?
総務省消防庁のデータによると平成29年4月1日現在で全国に消防士は162,375人居ます。
そのうち女性消防士は4,240人となっていて全体に占める割合は2.61%です。
この数値が高いのか低いのかの判断は皆さんに任せるとして、平成30年4月1日の速報値では2.7%に上がっているので、これからも少しずつ増えていくことがわかりますね。

消防学校については、こちらの記事をどうぞ


現場に出られるの?


















現場にいてくれて助かったこと
女性消防士が一緒に救急出動してくれてたから助かったこともあります。
たとえば救急の傷病者が女性で、自分たち男性の隊員には話にくい症状のことでも、同じ女性同士なら話もしやすいので症状などを聞き取りやすいですし、やっぱり男性と違って雰囲気も傷病者に柔らかく対応することができます。






女性消防士で困ったこと
全員ではありませんが、女性消防士はどうしても男性消防士に比べたら筋力が劣ります。ですので、重たい傷病者を搬送するにも男性隊員に負担がかかるし、傷病者も搬送中不安に感じますよね。
消防署は夜中に必ず受付員が1名以上交代で起きています。もちろん女性消防士も受付勤務があるので起こさないといけないのですが、仮眠室に入るわけにもいかず、電話連絡しても起きない・・・なんてことも。



採用試験を受ける前に









勤務状況を確認しましょう
消防士の採用試験は、男性・女性関係なく受験することができます。ニュースになった医学部のように、女性だから係数を当てはめて合格しにくいとかありません。






女性が消防士の採用試験に合格、消防学校を卒業して配属されたときに消防署ではなくて、一般的に言う日勤になる可能性もあります。
これは女性だから体力面が心配とか女性消防士への問題ではなくて、消防本部としての組織の問題です。



消防はさきほと言った平成6年の(現)女性労働規準規則が一部改正されたことにより、夜間業務が解禁されて交替勤務ができるようになりましたが、消防署はその改正よりも前から建っているところの方が多く女性用のトイレや仮眠室が無いのが当たり前です。
消防本部には普通女性用のトイレは備わっているので、消防署に女性用の設備が無い消防本部はどうしても消防本部で日勤をしてもらうしか対応策がないのが現状なのです。















おわりに
これからも女性消防士は増えていくと思います。
現場で活躍している女性消防士もたくさんいますが、消防本部によっては女性用の設備が無いので交代勤務じゃなくて日勤として仕事をすることになるかもしれません。
消防士として現場に出て活動したいのならば、まずは採用試験を受ける前に女性消防士の勤務状況について問い合わせてみましょう。
いまは救急救命士やポンプ車やハシゴ車の機関員(運転)をする女性もいます。あなたの頑張り次第で救助隊にもなれるかもしれません。
もしも体力面に不安があり消防士を諦めようと思っているなら、大丈夫です。はっきり言って男性にも体力がない消防士はいます。なんで入れたの?って思う人も・・・
消防は現場だけがすべてではありません。予防業務なども大切な仕事です。だから体力に自信がなくても諦めずに試験を受けてみましょう。
消防士として採用されたら、交代勤務で現場に出る可能性も出てきますしね。