第2類の危険物に共通する性質と貯蔵・取り扱い、消火方法

危険物第2類

第2類危険物として指定されている「可燃性固体」とは、着火・引火しやすい固体の物質の総称です。

酸化されやすい還元性物質が多いため、酸化性物質との混合・接触を避け、発火・爆発を防がなければなりません。

この記事では危険物第2類 可燃性固体に共通する性質と貯蔵・取扱い、消火方法について説明します。

目次

第2類の危険物

第2類の危険物とは、消防法別表第一の第2類の品名欄に掲げてある可燃性の性状を有する物品で、すべて固体です。

主な品名と物質名はこちら☟
危険物第2類の主な品名と物質一覧

第2類の危険物に共通する性質

第2類の危険物は可燃性の固体で、可燃性の固体とは火炎により着火しやすい、低い温度でも着火しやすい、引火の危険性を判断する試験で引火性がある固体をいいます。

共通する特性は次のとおりです。

  • 可燃性の固体
  • ほとんどの物質は比重が1以上
  • 水に溶けない
  • 酸化されやすい
  • 燃えやすい
  • 着火しやすく、燃え出すと燃焼速度が速い
  • 燃焼すると有毒ガスを発生させるものがある
  • 酸化剤との接触、混合によって爆発する危険性がある
  • 微粉末の物質は、粉塵爆発を起こす危険性が高い

第2類の危険物に共通する貯蔵・取り扱い、火災予防

  • 酸化剤との接触、混合を避ける
  • 第1類、第6類の危険物との混合は爆発の危険性がある
  • 加熱を避ける
  • 火気や高温体への接近を避ける
  • 貯蔵容器は吸湿しないように密栓して冷暗所に貯蔵する
  • 鉄粉、金属粉(アルミニウム粉、亜鉛粉)、マグネシウムまたはこれらのどれかを含有しているものは、水、酸との接触を避ける
  • 引火性固体は、蒸気を発生させないようにする

粉塵爆発のおそれがある場合にはつぎのことにも注意する必要があります。

  • 火気を近づけない
  • 危険物の濃度が燃焼範囲未満になるよう換気を十分におこなう
  • 電気設備(照明など)は防爆構造にする
  • 静電気が溜まらないようにする
  • 粉塵をあつかう機械・装置には不燃性ガスを封入する
  • 粉塵が堆積しないようにする

第2類の危険物に共通する消火方法

第2類の危険物は、物質によって禁水性の物質もあるので完全に共通する消火方法はありませんが、つぎのような消火方法があります。

  • 水との接触で可燃性の有毒な硫化水素を発生させる
    • 硫化リン~乾燥砂などを使用した窒息消火
  • 水との接触で水素を発生させる
    • 金属粉(鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウムまたはこれらを含有するもの)~乾燥砂を使用した窒息消火
  • 赤リン、硫黄など(硫化リン、金属粉以外の物質)~水、強化液、泡などの水系の消火剤を使用した冷却消火。乾燥砂などを使用した窒息消火
  • 引火性固体~泡、粉末、二酸化炭素、ハロゲン化物の消火剤を使用した窒息消火

危険物第2類の主な品名と物質一覧

硫化リン

  • 三硫化リン
  • 五硫化リン
  • 七硫化リン
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赤リン

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鉄粉

  • 鉄粉

金属粉

  • アルミニウム粉
  • 亜鉛粉
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マグネシウム

  • マグネシウム

引火性固体

  • 固形アルコール
  • ゴムのり
  • ラッカーパテ
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